※ この記事は,旧ブログ(2023年3月31日閉鎖)に掲載していたものです。
2019年度が始まりましたね。 4月も中旬を過ぎましたが,新元号も発表され今年はなんとなく落ち着かない感じでしょうか。
そのような年度の始めですが,先日,大学生を対象に把握の調整力を測定し,過去の運動経験との関係を検討した論文を発表しました。
就学前,小学校低学年,小学校高学年,中学校,高校および大学生(現在)の各就学段階における運動経験や運動量(運動時間×強度)と,調整して握力を発揮する能力の関係性を検討したものです。
例えば,「最大握力の30%の握力を発揮してください」と言われたとき,上手く握力計を握れるできるでしょうか。
今回の研究では,小学校の時期にしっかりと運動を行っていた学生ほど,このような握力の調整能力が高いという結果が得られました。
高校時代に毎日部活動でスポーツを行っていた学生でも,小学校の時に運動をしていなければ調整能力は高くないことも多く,また,高校時代は帰宅部でしたという学生でも,小学校に入る前や小学校時代にある程度高い運動強度で運動をしていた場合には成人になってからの握力の調整能力が高い傾向にありました。
筋力の最大値などは,成人になってからのトレーニングでも増大しますが,筋力発揮時の調整能力が小学生の時期における運動経験に影響を受けるならば,成長期前後の充実した運動の必要性をより強く主張できるかもしれませんね。
今回は,質問紙調査による結果ですので,あくまでも可能性を示すだけですが,時間をかけて縦断的な調査を行えればもっと明確な結論が導けるでしょう。
以下がこの論文の情報となります。 ○林容市,高橋信二,速水達也(2019)就学段階ごとの運動経験が大学生における把握の調整力に及ぼす影響.体育測定評価研究18: 35−46.
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