• Hayashi Yoichi

やはり学会は対面開催が良いですね(日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会)。

更新日:9月17日


大学院時代の仲間で,今回の学会大会を運営されていた順天堂大学の鈴木先生と少し話をしましたが,発表予定者のCOVID-19感染がかなり多く,その対応に大変苦労されていました。


ポスター発表は代理の方が掲示したり,最悪,本人都合で発表取り消しとすればなんとかなりますが,今回は,口頭発表者が来場できない場合には,オンラインでの発表を許可していたため,当日になってのオンラインの発表申請もあったようです。

 

学会員に研究発表の場を提供することは重要なことではありますが,参加者数が多い学会では当日になってからの対面からオンラインへの変更は,やはり対応に限界がありますね。


発表して意見をもらう機会は重要だと思いますので,個人的には,新型コロナウイルスへの感染を始め,体調不良等で発表できない状況に至ってしまった場合には,申請すればエントリー自体を取り消せるようにできれば,他の学会での発表する機会も創出できて良いのではないかと思います。


ただ,予稿集などに発表原稿が掲載されてしまっているので,実際には発表していないのに発表したことにもできてしまうため,なかなか判断が難しいでしょうか。


今回の学会では,様々な分科会の発表やキーノートレクチャーを聞いて,非常に勉強になりました。 筑波大学の辻先生が担当された,マルチレベルモデル(線形混合モデル)分析の話は,僕を始め,聞いていた皆さんにとっても非常に有益であったと思います。


数年前に発表した論文の分析で僕も使いましたが,その時は共同研究者の東北学院大・高橋先生にご教授頂いてなんとか結果がでたという状況でしたので,恥ずかしながら理解が十分ではありませんでした。


今回のキーノートレクチャーでは,初歩的な部分で非常に分かりやすくお話頂けましたので,指導している大学院生も非常に勉強になったようです。  

あとは,大学院時代の仲間と久々の会話,お世話になっている先生方やその院生の皆さんとの交流もやはり対面での学会だからこそのイベントで,本当に楽しかった。


会場のあちこちで立ち話をしている方々を沢山見かけましたが,近況報告も含めてそういうちょっとしたコミュニケーションはやはり大事にすべきことだと感じました。

 

この数年,多くの学会がオンライン開催となり,主管となっている大学の皆さんは,本当に苦労や工夫されて様々な方法で学会を運営して頂きました。

僕が学会を開催する立場だったら,あっさり中止していたと思います。



ただ一方で,コロナ禍を経て,様々な工夫や代替方法を用いれば,「発表する場」としての学会は開催できてしまうことが解ってしまいましたし,オンラインでの学会を敬遠した先生方や大学院生の中には発表機会がなくても研究活動遂行上,さほど困らないということに「気がついてしまった」方も多いのではないでしょうか。

僕自身,就職してからは学会発表にあまり重心を置かず,最近はもっぱら大学院生の発表の共同発表者という立場でしか参加していません。


しかし,発表に対しての質疑応答時のコメントや質問,学会会場での立ち話などから論文執筆に際して重要な視点が加わったことは沢山ありますし,学会での何気ない話から始まった研究もいくつもあります学会での研究者同士の交流がオンラインの画面を通じた発表と質疑応答時間に限定されてしまうと,話の広がりや交流の発展の可能性を潰してしまう場合も多いと思います。

また,学会での研究者同士の交流がオンラインの画面を通じた発表と質疑応答時間に限定されてしまうと,話の広がりや交流の発展の可能性を潰してしまう場合も多いと思います。


もちろん,例えば有名な先生に大学院生が質問に行くことや知らない他大学の院生に話しかけることは,大学院生にとっては大きな心理的負担を伴う場合が多いでしょうけど,それも対面での学会だからこそ可能な事象ですよね。


人前で話すのが苦手で,大勢の前に出るとおどおどしてしまい,言いたいことをうまく相手に伝えられない自分が,曲がりなりにも大学で授業を担当出来ているのは,大学院時代に,数多くの発表を経験してきたことが大きいと感じています。


「学会発表が役に立った」といっても,単に「発表を経験した」ことが重要な訳ではありません。


確かに,大学院生時代の某学会での発表時の質疑応答で,名前も名乗らずにいきなり僕の発表内容と異なる持論を一方的に説明し,それと異なるからおまえの研究は意味がない,と怒鳴られたことがありますが(よくある?笑),そういう経験を踏んだからといって発表が苦でなくなることはそんなに多くないように思います。


個人的には,発表に向けての「準備の過程」を沢山経験できたことで,人前で何かを話す際に

「どのようなことをクリアすれば心理的な安定を生むのか」

を何度も確認できたことが,今の仕事にも活きていると考えています。



人前で話をするとき,自分の場合は

「自分が間違ったことを言ってしまうかも」,

「自分の知らないことを質問されたら困る」,

「内容を理解してもらえなかったらどうしよう」

などという思いがあると,緊張を生むことが多いです。


しかし,

「この研究について,(少なくともこのデータについて)一番考えたのは自分だ」

と思う事ができれば,意外と開き直って発表できます。


もちろん,実際には自分の考えが及んでいない視点からの厳しい質問も沢山頂くのですが(苦笑),少なくとも,発表前の緊張感は,発表内容について考える深さに比例して薄まっていくように感じています。



現在,授業で話をする時も,学生に「ちゃんと理解してもらえるだろうか」という思いがあると緊張することが多い気がしています。


ということで,色々と時間をかけて準備をしたり,スライドを何回も修正したりして授業に臨むのですが,そういう活動は院生時代の学会への取り組みが活きていると言えますね。



と,頑張ってるアピールを書いてしまいましたが,実際の僕の授業評価はいつも高くありません・・・。

授業後は,ほとんどの場合「あの部分,絶学生の表情から判断すると,絶対に理解してもらえなかったよなぁ」などと,いつも反省や後悔しながら帰ってきます。


緊張しても充実した授業ができた方が良いような気もしますし,授業については,おそらく今後も改善が求められて行くでしょう。


いずれにせよ,学会発表に向けてた準備の過程で生じる様々な心理的な負荷は,対面での発表時により大きくなると予想します。

学会は学術的な論議の機会ですので,院生が発表に慣れるために参加する場ではありませんが,発表に際しての心理的負荷を乗り越えるすべを学ぶことも,学会で育まれる大事なことの一つではないでしょうか。  

  あとは,学会会場の近隣で名物や美味しいものを食べたのも,対面で開催して頂かないとできないことですね。 今回は,学会が終わってから成田山の表参道に行き,最高の鰻を食べることができました。

来週開催される体力医学会は,残念ながら完全オンラインになってしまい,楽しみにしていた宇都宮の餃子を食べに行く事もできなくなってしまいまいたが,また3月,そして来年度の色々な学会で多くの皆さんと話しができることを楽しみにしたいと思います。