法政大学 文学部心理学科
大学院スポーツ健康学研究科
林 ゼミナール
担当教員:林 容市(Yoichi Hayashi)
本研究室では、
以下の3つを大きなテーマとして研究を進めています。
●動作の認知・知覚と生理的状況の対応
●スポーツや日常生活における調整力と運動経験との関係
●ボディ・イメージの形成とその要因
● 学術論文
・競技レベルが異なる中学サッカー選手の走速度グレーディング能力の比較(体育測定評価研究,2023)
この論文は、スポーツ場面での重要性が想定される、走速度の調整能力について、全国大会レベルの中学サッカー選手と一般的なレベルの中学サッカー選手とで比較した結果をまとめたものです。
本研究では、仮説とは異なり競技レベルと走速度の調整能力に関係性は認められず、中学サッカー選手は競技レベルに関係なく同等の走速度調整能力を有していることが示されました。一方で、中学サッカー選手は実際の試合場面で多用される高強度での走速度の調整が優れている可能性が示されました。そのため、経験している運動種目の特性に応じて、調整能力に違いが現れる可能性が想定されました。
今後は、本研究で得られた知見をもとに、運動経験によって調整能力が変化するのかについて、多種多様な運動経験と調整能力の関係を検討したいと考えています。
・外的負荷が肘関節角度調節能力に与える影響(体育学研究,2021)
・単純反応課題との複合が垂直跳び高のグレーディングに及ぼす影響(体育学研究,2019)
・就学段階ごとの運動経験が大学生における把握の調整力に及ぼす影響(体育測定評価研究,2019)
● 学会発表
2023年度
●日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会(2023年8月30−9月1日,同志社大学)
・中学生年代の中・長距離種目の競技者におけるテーパリング期間の走行距離の減少率の差異が
パフォーマンスおよ び生理学的・心理学的指標に及ぼす影響
・注意の種類の違いが強度の異なる有酸素性運動 中の身体的きつさに及ぼす影響
・出力誤差のフィードバックが把握力の精度に及ぼす影響
●European College of Sport Science Paris 2023(2023年7月4−7日,パリ)
・Effects of past exercise experience on coordination ability
and measuring time of grip strength
・Relation between exercise intensity and effects of attentional foci on perceived exertion
2022年度
●第77回日本体力医学会大会(2022年9月20−22日,オンライン)
・サイクリング運動中の注意の方向が運動に伴うきつさと脚部筋活動に及ぼす影響
●第35回ランニング学会大会(2023年3月4−5日,東京学芸大学)
・全国中学校駅伝大会までのトレーニング強度分布に関する縦断研究
2021年度
●日本体育測定評価学会第21回大会(2022年3月5日)
・ラグビーにおけるスクリューパスのボール速度に影響を及ぼす要因の検討
・サッカーの競技レベルの差異が走速度グレーディング能力に及ぼす影響
●第76回 日本体力医学会大会(2021年9月17~19日)
・外的注意時の認知的負荷量の差異が運動中の努力感覚に及ぼす影響
● その他(記事・紀要など)
・感覚系の特性に関連した最近の課題(電子情報通信学会誌,2019)
・病院内におけるメディカルフィットネスの実際と効果(未病と抗老化,2019)
・運動経験によるグレーディングの変化 (体育の科学,2017)